ニュートラルに”戻そう”

おばからメールが届いた。

「ありすっこ、運転技術はどうだい?」

何かと私の生活を気にかけてくれるおばは

春から自動車学校に通っていた私に

いつも「がんばれ!」とエールをくれていた。

運転免許はお盆に取得できたものの

車を持っていないのでたまにしか運転していない。

だからおばの質問にはおぼろげにしか

答えることはできないけれど

おばのおかげでいいことに気が付いた。

 

とっても些細なことかもしれないけれど

自動車学校に通って学んだことがある。

 

「ギアをあげていこう」なんて

昔からよく耳にしていたけれど

「ギアって何だろう」といつも思っていた。

マニュアル車の操作のことだったのか!

と私は教習中にエンストしながら納得した。

 

なにか取り組むものに力を入れるときに

使われる「ギアをあげていこう」は

運転に速さを出すために

ギアをあげることにちなむ。

 

車を停めて一息、シートベルトに手をかけると

「なんか忘れてない?」と教官の声が飛ぶ。

ギアをニュートラルにしていなかった。

車に乗ったとき、降りるとき、

ニュートラルにするのが基本であった。

 

車の操作にちなんで人間の動作を説明するとき

今の私の気分にぴったりなのは

ニュートラルに戻す」ということだ。

 

単純に学祭に向けて準備してきたから

ほっと一息休みたいというのもあるけれど

(一晩の毛布だけでは足りなかった)

外に出て一日を過ごすということは

それだけ沢山の価値観に触れたり

何か新しいものを獲得したりと

けっこう盛りだくさんになる。

 

ぱんぱんに詰まった頭の中を

(いいことばかりだから幸せだけれど)

一度まっさらにしてみたい。

一番いいのは沢山眠ることなのかもしれない。

 

ニュートラルに、まっさらにしたところで

頭の中はきっとふるいにかけたように

大事なものが見えてくるかもしれないから。

 

アチェンしなければマニュアル車

運転することができないけれど私もまた然り。

停車してニュートラルになったときが

一番見晴らしがいいんだと思う。