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なんにもしない旅

春休みが始まったようだがまだまだ雪はちらつき、足繁く学校に向かう私の足は一向にとまりそうにない。ここに何かをしたためることもいつの間にか久しぶりになってしまっていた。

 

昨日から今日にかけて、母と四年半ぶりに旅をした。

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電車に揺られて一時間と少し、着いたのは村上駅

年が明けてからというものの何かとバタバタとしていてあまり顔を合わせることがなかった母と私。旅のテーマは「何もしないこと」。

 

しかししっかり美味しいものを食べた。また、歩いた。

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(扇屋カフェにて)

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(satetoにて)

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(富士見園にて)

 

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(散歩道にて)

 

「何もしない」私たちにぴったりな宿にお世話になった。

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【井筒屋】

松尾芭蕉が宿泊した跡地となっている老舗の宿。現在はカフェとして昼間はにぎわい、夜は二階全体を一組の宿泊客に貸し出している。

 

お土産話をするたびに驚かれるのだが、夕食やお風呂、テレビはない。そのかわり気さくなおかみさんが車でおすすめの料理屋や瀬波温泉に連れて行って下さった。

 

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【千渡里】

ご飯が見えないくらい魚介類ののった千渡里名物の「だぁーまた丼」を味わいに訪れた。壁一面にサインが踊り、奥まった壁には水森亜土さんのイラストが。なんと水森さんもお客さんなんだという。おいしい料理にやさしいお店の人、そして気前のいい常連のおっちゃんたちと楽しいひとときを過ごしながら改めてサインやイラストを眺めていると、千渡里がたくさんの人に愛され続けている理由がよくわかる。

 

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【大観壮】

沢山のしゃけと一緒にアホ面が写ってしまい申し訳ない。おかみさんと母と夜の海岸沿いをドライブして瀬波温泉大観壮へ。宿泊客の夕食どきだったためかほぼ貸切状態の中、波打ち際に位置する露天風呂で海の音を聴きながら星を見た。肩を出していると寒いけれど、ぼうっとお湯に浸かっているのは心地よかった。ひとの代表として、海と対峙して無言で語り合っている気持ちになった。

 

他のお客様も、たまにはテレビのない部屋で過ごすのもいい時間だとおっしゃっているそうだ。私も宿についたばかりのころは「お風呂上がりにヨガでもしよう」なんて意気込んでいたけれどいざおかみさんの車を降りてみるととても眠かった。母に笑われながらさっさか布団にくるまった。

 

雪かきの音で目が覚めた。母はもうとっくに起きていた。布団から這い出ると朝食の時間になっていた。おかみさんがていねいにこしらえてくれた朝食は冬の寝起きの身体にやさしかった。(お味噌汁のだしと油揚げのふわふわ感が美味しくて、私はとても気に入った)

 

書ききれないけれど、心温まることがたくさんあった。お茶屋さんで一服中、雨が降り出して困った時コンビニまでの道中のためにお茶屋の店員さんが傘を貸してくれた。ちょうど閉館の札を出しかけていた資料館にたどり着くと、にっこり笑って開館中に戻してくれたおじさん…

 

もてなされるというかこうして人の心の温かさに触れると、自分自身のちっぽけさがよくわかる。なんだか謙虚に、素直になれそうな気がした。

 

「こういう旅を楽しめることが出来るようになったなんて、あんたも年とったね」と母に笑われた。(以前は母と旅行、と言えばお買い物だった)村上の食べ物はおいしかったし、人もあたたかかった。

 

詰め込まないことで余白が出来ると、思考ができる。何かが生まれる。余白を愛したいと思えるような旅だった。ただひとつ惜しかったのが、汽車の駅メロを聴くことができなかったことだ。