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いちばん好きな雪の呼び方

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バスの中では、
くもらないかぎり(くもりがちだけど)
間近で雪を観察できる。

駅前を発って萬代橋へと進むバス
前を向いて並んだ窓際のイスに座って
ふと窓の外を見てみると、
メディアシップのビルと私とのあいだに
ほろほろと雪が落ちてきていた。

本当にほろほろ、というぐあいで
大粒の、でもふわっと軽そうな
あんまり密度の濃くなさそうな一粒一粒が
舞うというよりも落ちてくる。

とても寒くなってきた今月後半から
叩きつけるようなあられや
髪にすぐに水分を含ませにくるみぞれ
夜に降って朝の雪景色を作る牡丹雪
そんなものに慣れっこだったので
久しぶりにほろほろ雪を見た。

粉雪、というともっと小さいのを
思い浮かべるから「ほろほろ雪」だ。
そうだ、私がいちばん好きな雪だった。

授業がつまらないときは、
校舎の外をほろほろと降ってくる雪の
一粒一粒に目を凝らして楽しんだ。
手のひらに載せれば熱で
いつの間にから消えてしまうような雪。
顕微鏡で見たら結晶がこつこつと
連なって見えそうな雪。
ほかのどんな種類の雪よりも可愛げがあった。

万代島に進むにつれて雨足ならぬ雪足は
強くなっていったけれど、
バスを降りて歩く古町の
アーケードの隙間から降りてくる雪は
ほろほろ雪だった。

降るのならずっと
ほろほろ雪ならいいのに、と思うけれど
ほかのイジワルそうな雪の合間に
こうして親切そうに降ってくるから
よけい愛しいのかもしれない。

(写真は関係なかったですね。
ツンドラという文字で選びました。
こんど、この本についても紹介します
まだ読んでいません。)