いつもとちがうシャンプー

f:id:alicewithdinah:20160216171752j:image

「ありす、今日はお風呂にいこう」
昨晩、祖母に銭湯にさそわれた。

祖母はよくスーパー銭湯
家から車で1時間足らずの温泉に出かける。
お風呂の準備は手慣れたものだ。

たいして私は準備がおそい。
「なんのカバンでいこう」だの
「タオルは何枚いるかな」だの
「あ!髪どめクリップ入れるのわすれた」だの
階段を何往復もしてやっと準備が完了する。

シャンプーは祖母のを借りた。
「ツバキ」だった。

スーパー銭湯の洗い場には鏡がついている。
自宅には鏡がないからおもしろい。
シャンプーする前に髪の毛を濡らすと
長さが最大限になる。
「腰までのびたね」と笑う。
後ろから見るとおばけみたいな私の髪だ。

「ツバキ」は、いい香りだった。
よく泡立ってさらさらする。
いつも使っているシャンプーはなぜか
あまりさらさらしないタイプなので
いつもと違う手ざわりがうれしかった。
「ツバキこうじつけ込み美容〜」と
福山雅治のまねをする。

冬は肌が乾燥するからか、
スーパー銭湯おなじみのジェットバスを
調子に乗って浴びすぎると背中がかゆくなる。
雪がちらついていたので
露天風呂にはいかなかった。

お風呂からあがって、髪を乾かすために
洗面台に祖母と背中合わせで座る。
化粧水を顔にはたいていると、
背中合わせの鏡に祖母の顔が見える。
鏡ごしににらめっこをして、負ける。

50円を入れて3分間、
イオンの出るドライヤーで髪を乾かす。
ここでも髪が長すぎて乾きが遅く、
「まだかいな」とあきれられる。

ゆっくりとお風呂に入ったので体はほかほか、
急いで髪を乾かしたのでむしろぼかぼかする。
フルーツ牛乳をふたりで買って飲んだ。

「ビンのファンタもあるね、いまどき珍しい」
「私のバイト先でも売ってるよ」「うそお」

畳のところで寝ころがるおっさんや、
焼肉の定食をほおばるお兄さん。
子どもが眠そうな親子連れもみんな
リラックスした顔をして過ごしている。

夜9時半にして、あとは眠るだけという状態…
こんな幸せもあるぞ、とにやける。