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運命戦で勝てる人

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このたびは 幣もとりあへず 手向山
紅葉の錦 神のまにまに

ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川
から紅に 水くくるとは

……

上映期間も半ばになり、
迷っているうちに終わってしまう…と思い
映画館を足を運んで観たのは
映画「ちはやふる 上の句」。

今年に入ってから映画を観る機会が増え
そのたびに予告編を観ては
気持ちが揺さぶられていた。
「また高校生が主人公の映画観ようとしてる」
と思って観ないぞぅと思っても
予告編の途中でPerfumeが歌う主題歌が流れ
さらに気持ちが揺さぶられるのだった。

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千早・太一・新は幼なじみ。いつも一緒にかるたで遊んでいたが、家の事情で新が引っ越し、はなればなれになってしまう。高校生になった千早は、新にもう一度会いたい一心で、再会した太一とともに瑞沢高校“競技かるた部”を作る。(公式HPより)

公式ホームページがすでに
「下の句」仕様になっていたため、
映画を観ていない方向けには
どこまで書いていいのか分からない。

「競技かるた」で使われる「小倉百人一首」は
千年のときを超えて今も日本人に親しまれる。

「競技かるた」では百首すべてを頭に入れ、
はじめの一文字が読まれるころに
続きを予測して敷かれたかるたを取りに行く…

幼なじみ同士の千早(広瀬すず)と太一(野村周平)、新(真剣佑)が千早や太一と一緒にいた小学生の頃に対戦したことのある肉まんくん(矢本悠馬)、誰よりも百人一首を愛する奏(上白石萌音)、部活よりも塾優先で勉強家な机くん(森永悠希)の5人が部員の、瑞沢高校競技かるた部。かるた経験者も未経験者も、お互いの強みや弱みを確認しあいながら大会に向けて頑張っていた。

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作品を彩る和歌の数々がすてきだった。

たとえば千早の名前と同じ言葉から始まる

ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川
から紅に 水くくるとは

風流な秋の歌だと思わせつつ、実は紅葉の葉で紅くなった川に激しい恋の気持ちを隠している…「なんて素敵なの」と奏がいう。


それから、千早の幼なじみ・太一は小学生のころから成績優秀でありながら、悪いことをしてそれを千早と新に隠していた。

かるたの試合にもその時の後悔は現れ、運命戦と呼ばれる相手と自分の陣それぞれにかるたが1枚ずつしかない状態にすこぶる弱かった。

千早が好きだから…どうしても「からくれないにみつくくるとは」の1枚を意識しすぎるのもかるたが強くならない原因だった。

全国大会をかけた試合の前に、「どんなに人生かけたって、勝てない」と不安がる太一に幼なじみ3人が通っていた教室の先生が贈った一首は

このたびは 幣もとりあへず 手向山
紅葉の錦 神のまにまに

「自分に才能があるかないかを悩めるのは、やることをやった人間だけだ」「人生かけてから、そういうことを言いなさい」というメッセージを「お供えに値するものは持ってこれませんでしたが、せめてこの紅葉を捧げますのであとは神さまのお好きになさってください」という意味の歌にこめた。

運命戦に弱い太一も、とにかくかるたが好きでまっすぐな千早も全国大会をかけた試合の最後は運命戦を経験することになるが……



館内にいたほかのお客さんも、勝負のゆくえを身を乗り出して見守っていた。一緒に観た友人の近くの席の人は終始泣いていたよという。

「下の句」も是非、スクリーンで観たい。


私は中学生のころに国語の授業で百人一首を学んだり、学校行事でかるたとりをやったことがあるけれど、「百首も覚えるの難しい」「かるたとりが得意な子がいると、どうせその子に全部取られてしまうだろうから一生懸命になるのは恥ずかしい」なんて思っていた。ああもったいなかった!!

単純なことだけれどもう一度百人一首を学びたくなったし、学ぶことによって改めて日本の美しさを噛み締めたくなった。

↑競技かるたのルールはこちら


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こんなに面白かった「百人一首」 (PHP文庫)

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