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冬子さんにおすすめしたい本

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まず、冬子さんと聞いてまっさきに思い出すのは、15年近く前の朝ドラ『てるてる家族』の主人公の女の子だ。

石原さとみさん演じる「冬子」は末っ子。宝塚卒業の紺野まひるさん演じる「春子」、SPEEDの上原多香子さん演じる「夏子」、上野樹里さん演じる「秋子」をお姉さんに持つ。岩田家の四人姉妹はこんな感じだった。錦戸亮さんもパン屋さんの役で出ていた。

放送当時は小学校低学年だったので、あんまり詳しい話は覚えていなかったけれど夏子がいしだあゆみと歌った「ブルーライトヨコハマ」は当時の私のお気に入りだった。『てるてる家族』は現在ちょうど、BSで再放送している。

私が今日話したい「冬子さん」は、入江冬子さんといってこの前喫茶店で読んでいた『すべて真夜中の恋人たち』という本の主人公だ。

あれから数日経ってその本を読みおえた。「そう来るか」という読後感につつまれた。自分というものに無頓着で、不器用というひとことでまとめるのももったいない、冬子はそういう女の人だった。

読み終えたあと、元『暮しの手帖』編集長であった松浦弥太郎さんが書いた本『今日もていねいに。』を続けて読んだ。

ふつうの毎日を、ふつうの毎日だからこそ楽しく生きる。「ふつうが一番」という言葉をよく聞くし、「ふつうってなんだろう」という疑問の声もよく聞くけれど、松浦さんの言う「ふつう」というのはやっぱり「日常をていねいに、大切にしていけるように生きること」なのではないかな。

きよらかという自信は、きれいなところをもっときれいにすることで生まれる。それはひとつの創造である、と。自分の持ちものや住まいを、隅々までぴかぴかに磨きあげることはひとつの自信につながるという。

めんどうくさいことをていねいにやるということは、その日のトピックスになる。文明が発達して、なんでも省略して行えるようになった今だからこそできること。

自分を道具として見てみる。包丁がまな板になりたいと思っても、なれない。包丁は「自分は包丁だ。包丁として役に立とう」と思えばほんとに役に立つ。もしかしたらほかの役割で役に立てることもあるかもしれないし。まずは、役立つことをやる。

……と、こういうことがたっぷり書いてある。特別なことはなくても、毎日の生活一瞬一瞬を味わって生きる……読んでいるだけでそうしたくなる気持ちにさせられる。

「無になる練習」の章は西加奈子さんの本を思い出した。そして、いくつになっても恋する気持ちを大切にすること(松浦さんなりの純愛の定義)を読んで思い出したのは『すべて真夜中の恋人たち』の主人公、入江冬子さん。

読了していない本について書くことも、読んだ本の主人公におすすめしたい本について書くこともなかなかないけれど、たまにはいいね。

今は続けて松浦さんの『日々の100』を読んでいる。こちらも、ものを丁寧に扱う松浦さんの生活を彩る100のもの・ことが書いてあって読みごたえがある。『今日もていねいに。』に出てきたものも解説されたりしていて、楽しい。