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肉まんをめぐる記憶

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肉まんには

不思議と楽しい思い出ばかりが

詰まっている気がする。

 

寒い日に、心もお腹もあたたかく満たしてくれるかわいい見た目としっかりした味わい。思い出すだけでもつい、優しい気持ちにさせてくれる。小さい頃から好きな味だった。

 

高校生の頃、部活が終わって完全下校のチャイムとともに学校を出て駅に向かっていた。このくらいの季節になるともう真っ暗になっていた時間。お腹をすかせた高校生は、ついついコンビニ肉まんを買ってしまうのだった。

 

「そういえばあの頃、たった10円とか20円の違いでずいぶん迷っていたよね。」と、当時の仲間とふとその話になった。あの頃はアルバイトができなかったから。プレミアム肉まんは150円で、ふつうの肉まんは120円、とかそんなだったか。「今思うと、あの迷っていた時間はもっと楽しく食べる時間に費やしたらよかったよ」

 

そうかなあ。私は、コンビニの中は暖かかったし、みんなで同じことで迷っている時間さえ楽しかったと思っている。きっとプレミアム肉まんもふつうの肉まんも同じくらい美味しかったから。

 

練習がうまくいかなかったときは悔しかった。そんなときも、肉まんでも食べて帰ろう!っていって駅まで急いだ。半分に割ったり、ピザまんと肉まんバラバラに買って分けたりした。話し込むうちそんなに多くない電車を数本見送って帰りが遅くなったこともたくさんあった。

 

肉まんをめぐる記憶は未だに尾を引いて、私の頭から離れようとしない。

 

きっとこれからも、心やお腹が寒い、足りないと感じた時はついつい肉まんを食べるのだろう。そしてきっと楽しくてまずしかった時のことをまた思い出す。

 

(写真は4年前に撮影したもの)