「黒い暴動♡」

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2000年前後、日本を席巻した

「ガングロギャル」。

 

当時放送していたドラマ「おやじぃ」(岡田准一さんや田村正和さんが出てた)にもすみかというガングロギャルが出ていたので、幼かった私はガングロギャルを見る度に「すみかだ!」と言っていた。

 

女子高生の「すみか」は習い事に行く路線バスにもいた。オーバーサイズのセーター、ルーズソックスと短いスカートを、私も幼稚園の制服でこっそりまねてみたりしたものだった。

 

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「シネ・ウインド」でそんなガングロギャルが活躍する映画をやっていたので観てきた。

『黒い暴動♡』

 

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なんもない、つまんない人しかいない、「クソみたいな」田舎に住む高校生・美羽(のちのみゅうみゅう)。そんな美羽やクラスメイトの彩香、あおいはひょんなことからガングロギャルになって青春を謳歌する。

 

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ギャルたちが集う牛舎では、酪農業の手伝いのあとにパラパラの練習をする。チーム名は「ブラックハマナス」。「手は三角!」「人としての軸がぶれてっからパラパラの軸もぶれんだよ!」「本気になれや!!!」熱い指導が入る。

 

厚底の靴、盛った巻き髪(人によってはカラフル)を揺らし、伸ばしてマニキュアを塗った指先にまで意識をこめて踊るギャルたちのパラパラ。あの音楽がちょっと懐かしくも思う。

 

作品のキャッチコピーともなっている「外野なんて、空気」 。当時ガングロギャルを見ていた私はなんでこんな格好してるんだろう、人に見られても気にしないのかなと思っていた。けれど美羽たちは気にしない。外野の意見なんて空気同然、明日死んでもいいように、好きな格好をして、好きなことをやるんだ!!という潔さ、女子高生の無敵さがとにかくまぶしかった。

 

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まぶしいだけじゃなかったこの映画。17歳の美羽と、アラサーとなった12年後の美羽が交互に描かれる。男の去った朝のアパートで、シミ消しクリームを頬に塗り込む美羽だった。

いったいあの頃の情熱はどこに行ってしまったのか。地元でのクラスメイトとの再会で、あの頃の思い出はどう変化するか……

 

新潟のシネ・ウインドでは1週間限定上映で、残念ながらもう期間が終わってしまったが、小説も発売されているのでぜひもう一度「外野なんて、空気。」を体感してみたいところだ。

 

SKE48平松可奈子さん、元SDN48書道家のなちゅさんをはじめ、間宮祥太朗さん、村上虹郎さんなど豪華なメンバーが物語を彩る。美羽に影響を与えた高校の先輩は、今井華さんだった。

 

そして主演の美羽を演じたのは、新潟出身の馬場ふみかさん。同い年で、見かけなかったけれど成人式の会場も一緒だったとは感慨深い。

 

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馬場ふみかさんを初めて見たときのことを忘れられない。中学校2年生の初夏、小学校の先輩が載っていると聞いて、初めて手に取った「新潟美少女図鑑」に載っていたのを見つけたのだ。

 

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大人っぽい人だ~何歳なんだろう~と思って見てみたら同い年でびっくりした。しかも仲良しの友人と同じ誕生日だったことも手伝ってかなり記憶に残った。将来はモデルさんになりたい、と書いてあった。

 

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その後も幻のフリーペーパー、と呼ばれている「新潟美少女図鑑」だったので、見かけるとつい手に取る。馬場ふみかさんはよく載っていた。当時の「新潟美少女図鑑」には知り合いや学校の先輩、友人のお姉さん…など載っている人やロケ場所がとにかく身近で楽しかった。(私より下の世代の子たちは、まさに今そういう感じだと思う)

 

今はなき古町のスターバックスに行けばたまに姿を見かけることもあった。上京すると誌面で発表していた後も、やはり地元出身・友人の同級生くらいの身近な人であり、モデルはもちろん女優になるという目標を掲げて頑張っている姿をひっそり応援していた。

 

どんどん活躍の場を広げている彼女が、スクリーンでどんな演技を見せるのか気になったので映画を観てみたかった。声色の微妙な違いや、美羽の心境の変化をずばっと表現していて引き込まれてしまった。

 

外野なんて、空気。

これからなにかつらいことがあったとき、美羽やガングロギャルたちのこの言葉をしっかり思い出せるように、耳と目に焼き付けてきたつもりだ。