プリンセスコンテストの記憶

f:id:alicewithdinah:20171020151353j:image

 

振り返ろう、書き留めよう、と思ううちに

あっという間に1年が経過しようとしている。

今のうちに、記録しておきたいと思う。

「プリンセスコンテスト」のこと。

 

 

私は昨年、大学の学園祭で開かれた
「プリンセスコンテスト」と
いうものに出場した。

説明するときは、「ミスコン」とも
いえるかもしれない。けれど、
「内面から輝く女性を決める」という
趣旨のもと、このコンテストはある。

普通の「ミスコン」だったら
もっともっと気恥ずかしくなって
出場を決められなかったかもしれない。
でも、このコンテストなら
自分と向き合っていく中で
成長出来るかもと思ったのだ。

 

 

昨年のことを今振り返ろうと思ったのは
もうすぐ1年が経とうとしているから。
そして、あの時一緒に頑張って来た
仲間たちと最近再会したからだ。

 

まずは、1年前のコンテストまでの模様を。

 

「最初に顔合わせたとき、ドキドキしたね」
夏休みに差しかかろうとしている頃、
アルビレックスを応援する
サークルとのコラボ企画で撮影があり
そこで他の出場者と初めて会った。
待ち合わせに指定された場所には
結構多くの人がいたけれど、
「あの人、プリコンに出る人かな?」
という人はなんとなくわかった。
「何年生?」とか、「学部どこ?」とか
そんなことを質問しあったのを覚えてる。

そのあとは夏休みの暑い日に
エントリー用の個人写真を撮影したり
しとしとと雨の降る日に
ウェディングドレスを選びに行ったりした。
ドレスは何枚も試着した。
一緒に見に行った人と、同じのを好きになって
よーく相談したなあ。
似合うと好きは違う、ということで
骨格とか雰囲気に合う1着を選んだ。


出場者は、お盆明けに
Twitterで発表された。
私はちょうどインターン1日目が
終わったところだった。
5人の写真があがって、
見ようとは思わなくても
色んな人の意見が書いてあるのも

しょうがない、目に入ってくる。
「あー、いよいよなんだ」と
私は雑踏の中で深呼吸した。
でも、いいねやリツイートの数を
気にしたことも事実だった。

 

コンテスト当日に向けて、
実行委員のメンバーが出場者に1人ずつ
マネージャーとしてついた。
私のマネージャーになってくれたのは
1年生の男の子でとても礼儀正しかった。
当日のヘアメイクをやってくださる
美容室に挨拶に向かう日は、
「きちんと感を出したい」と
シャツにジャケットで決めて来てくれて
美容師さんも「ていねいなのね!」と笑い
打ち合わせも和やかに

進んだことを覚えている。
ステージを盛り上げるための音楽。
風や動きに対応するためのヘアスタイル。
5人がそれぞれきれいに並ぶような
ステージ上での動き方。
そういった、ステージを作る
ひとつひとつを確実に進めてくれた。

 

 

私服審査、自由アピール、
ウェディングドレスを着ての質問タイム。
出場者それぞれの個性が光る自由アピールに
私はダンスを踊ることを選んだ。
ダンスが大好きな中学生の頃からの
仲良しに頼んで、振り付けしてもらった。
私は振り付けを覚えるのが得意ではない。
遠方から、毎日のように
ゆっくりバージョンの振りや
鏡に映しての振りを動画で送って
テレビ電話で相談にのってくれた。
「姿勢よく!あとは自信持てば大丈夫や!」
とよーく励ましてくれたものだ。

 

晴れバージョンの屋外ステージ、
雨バージョンの学生会館ステージ、と
リハーサルも二度おこなって
当日に臨んだ。
他の出場者と顔を合わせるたびに
「みんなでいいステージを作りたい」
と思うようになっていった。

新潟のくもりは、晴れ。
屋外ステージで当日を迎えた。
とにかく楽しもう!という気持ちで
よく見せよう、とか頑張らなきゃ、とか
そういった思いを振り切って

ステージに上がった。
体はめちゃくちゃ緊張していて足つったけど。
1年経った今より人前で話すのも

苦手だったながらも
私が発した言葉で客席に

笑いが起きるのは嬉しかったし、
一番前で友達が見守ってくれていたのが
心の支えになった。

 

今これを書いている日みたいに

肌寒い日だった。
そんな気候の中、肩の大きく出た
ウェディングドレスを着ているのは
よく考えると凍えそうになるのも無理はない。
結果発表が終わると、ブルブルっときた。
それまで寒さを感じなかったのが

不思議だった。
そしてコンテストの結果は、参加賞。
それでも、当時の私のベストを

尽くしたと思う。

 

 

1年生の時見に行ったプリコンのステージが
とても輝いていてドキドキしたこと。
叶えたい夢があって、それに
どうにか近づきたいという思い。
容姿とか、身のこなしとか、
トークにも自信はなかった。
でも、このコンテストに出るぞ!と決めて
そこから努力して自信を
つけられたらいいな、と思った。
友人が話を聞いて背中を押してくれて、
挑戦することにしたのだ。

 

こう、出場を決めて当日を終えるまでの
数か月間を振り返ってみると、
1人じゃとっても出来なかった

大きなことだった。
応援してくれた周りの人や
運営委員、衣装やヘアメイクさん、
そして他の出場者…
色んな人に支えられていることに

気付かされた。

 

 

そして、メンタルがめちゃくちゃ育った。
頑張ってもうまくいかないと思った時は
方向を間違えてるだけかもしれないし、
人の意見に左右されすぎないことも学んだ。

 

あと、コンテストの最後に
客席に向けて出場者それぞれが
ブーケを投げるんだけど
私のを受け取った子は、今幸せみたい。

 

 

1年が経とうとしている10月のはじめ、
一緒に頑張ってきた仲間たちと
日付を合わせて集まった。
みんなあの時よりさらに美しくなってた。
そして、大人になっている気がした。

「アンケート何答えたっけ?」
「あ、理想のデートとかあったよね!」
「審査員からの質問のとき、緊張したよね」
「ドレス着てるとき実は転びそうになった笑」
しばらく仕舞ってあった

思い出話に花を咲かせた。

「今考えると、よく出る勇気が出たよな」
とは思うけど、
「出なきゃよかった」なんて人は

誰もいなかった。
「この人たちとあのステージに

立ててよかった」
って、また改めて思った。

 

あれから、1年分の人生があった。
今だったらspotifyを使って
使用曲を吟味しただろうし、
トークの勉強なんかももっとしたかも。
でも、あの時に「出るぞ」と決断して
やりきったから、今があるとも言える。
あの頃の私にもありがとうを言いたい。

 

 

さて、今年もプリコンの季節だ。
学園祭の1日目。晴れるといいな。
出場する方は、今年は4年生が多いよう。
どんな自由アピールがあって、
それぞれがどんなことを話すのかが楽しみ。
私も見に行く予定です。