髪と共に振り返る３年間
美容院を予約した。
３カ月ぶりのことである！
秋になると思い出す映画がある。
３年前に生まれて初めて乗った飛行機で観た
あの時も季節は秋だった。
今日は久しぶりに観たくなってしまって
美容院の予約の時間を待ちながらDVDをセットした。
飛行機が空を一直線に泳いでいくように
高校生の私は直面する何事にも抗えないでいました。
「やれない人間にやれとは言わない。
俺たちが見つけたお前が、プロのモデルになんて
見劣りするわけがないんだ」
「美しい装いは人に勇気や自信を与えるわ。
あなたにも魔法がかかったかしら」
and more...
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今でこそ様々な名言が飛び出して私の胸を打つけれど
３年前の私に一番響いた言葉は
「お前の意思はどこにあるんだよ」
でした。
何事もうまくいかないのは
全部誰かのせいだと漏らしながらも
親や先生が決めたレールをのろのろと走り続けてきた紫。
学園祭のショーのモデルという
紫にぴったりな別の道があるのに彼女は
「受験生にそんな時間はない」
「わたしに出来るわけないじゃない」と
理由をつけて一歩踏み出せなかった。
「お前の意思はどこにあるんだよ」は
そんな紫の目を覚まさせたジョージの言葉。
結局自分の人生を決めるのは自分自身なんだな、とか
私って今まで紫と一緒で何かに本気になって
取り組んだことってなかったかもな、とか
16歳の私なりに色々と考えさせられました。
このままの高校生活でいいのかな？
紫は名門校の制服を着ているというプライドで
自信のなさを隠し意地を張るのにいっぱいいっぱいで
本当の自分のことを分かっていなかった。
「お前はお前が分かってないんだよ」と
先生やジョージたちに言われていたけれど
それが人生を振り返るきっかけとなって
あわよくば紫らしい才能を見出してもらえるなんて
なんてラッキーな女子高生なんだとも思いました。
パラキスの映画は大好き！
紫を演じる北川景子さんは私の憧れの女性の１人です。
(この話はまたゆっくり書きたいです)
前髪を切ったあたりからどんどん紫が垢抜けてって
パラキスの洋服が似合うようになって…
映画を初めて観た当初、マッシュヘアだった私ですが
絶対髪を伸ばそう！と思わされました。
あんな高校生活を夢見てたのかもしれませんね。
才能VS努力家で競うジョージと香の掛け合いも
なんだか雰囲気がいい。
そして何といっても作品全体に漂う
きらきらした感じに心が躍ります。
…さて、あれから３年が経ちました。
作品中に生卵割りに失敗して顔をしかめる紫がしていた
オールバックのポニーテールを見ていいなと思ったら
ささっと同じ髪型に出来るようになるくらい髪が伸びました。
高校生活を振り返ってみて
紫ほどの劇的な変化はなかったものの
あの頃「お前の意思はどこにあるんだよ」
に出会ってなかったら今の私はいなかったかも。
起こったこと全てに満足しているわけではないけれど
レールに乗ってただ通り過ぎることなく
見えるものたちに考えを巡らすことは
出来るようになりました。
16歳の私よ、こんな感じでいいかい？まだだめ？
まったく、厳しいんだから。
原作は残念ながらまだ読んでないのですが
原作に近いと言われるアニメ版のパラキスには
映画版より高校生らしい気持ちのもどかしさがあったり
他の登場人物の感情も垣間見ることが出来たりと
また違った魅力がありました。
エンディングも全然違うけれどどちらも好きです。
夏のダメージを引きずって苦しそうにしていた髪は今日
美容院で元気を取り戻しました。
秋に衣替えをするならば髪にも秋らしさをね。
決して大きな変化をしなくても
なんだかちょっと特別な気分になります。
