「イニシエーション・ラブ」を観てきました

Une femme est une femmeー女は女である、という映画がある。ゴダール監督、アンナ・カリーナ主演、1960年代の作品だ。音楽と絵がミスマッチなところ、アンナ・カリーナがどこまでも可愛らしいところが大好きだ。

公開初日だった土曜日、さっそく映画「イニシエーション・ラブ」を観てきた。

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最近観た「ビリギャル」のようにタイトルで全て完結しているものではないし、ミステリものなので詳しいことはもちろん書けない。(しかし映画を観た人とは語り合いたくなるので、いつかネタバレ注意で映画を観た人、原作を読んだことある人向けに記事を書きたい)

映画が始まったとき、観客がどよめいた。

私は映画を観るのが楽しみすぎて予告編を繰り返し観たり、YouTubeで宣伝の番組を観たりして、劇中に使われている80年代ソングを知ることができた。(原作では章のタイトルになっているけれど)

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映画を観る前にこれらの曲を聴いておくことは、ネタバレサイトをのぞくより、原作を再読するより、ましてや原作を読むよりも最適かもしれない。知っている曲が映画館で聴けるのはわくわくするし、観た後もう1度ずつ聴くとよりイメージがふくらむかもしれないからだ。

しかしミステリってやっぱりわからない。ビリギャルのときは受験のことはもちろん、家族の大切さなんかも改めて感じたけれどミステリは具体的な一言でまとめることが難しい。抽象的なもの言いになってしまうとやっぱりミステリというのはヒトの生活、人生そのものなんだな。

主演の前田敦子さんとAKB48グループ時代から仲の良い篠田麻里子さんのInstagramを覗くと、昨日「イニシエーション・ラブ」を観に行ったようだ。芸能人のInstagramのコメント欄はダイエット商品の宣伝で荒れていたりするけれど、なかなか面白いコメントが見つかることがある。
 
…ここまで書いて「女はこうでなくちゃ♪」というコメントがあったような気がしたのだが、果てさてどこで見たんだろう?

望月がその晩、四人目として誰を呼ぶ予定だったのか知らないが、僕はそいつに一生分の感謝を捧げなければならないだろう。
という書き出しで原作ははじまる。“たっくん”のように身に訪れた良いことをていねいに感謝し日々を過ごせる人に幸せは訪れるのかもしれないし、そう信じたい。

ミステリというくくりで何かを学び取ることは難しいが、あっちゃん演じるマユから「Une femme est une femme」に通づる女性の本能らしき性質、身に訪れた幸せとどう付き合っていくか、なんてことを「イニシエーション・ラブ」に教えられた気がする。

そして個人的には“たっくん”が東京で出会う、木村文乃さん演じる美弥子に惹かれた。もしあんな人が恋敵になったら、私はもれなく白旗をあげるだろうな。

イニシエーション・ラブ」は1人でじっくり楽しむのもいいし、一緒に観た人に「マユと美弥子、どっちがタイプ?」なんて聞くのも楽しい映画だと思う。

私は原作を読んでいない人と共に観たものの、中盤にさしかかる前に謎を解いてしまったみたいだ。もっと騙されててほしかった、なんてわがままを言ってみる。それでも隣から笑い声が聞こえてきたりすると誘ってよかったと思うのだ。私はマユのようにはなれないだろうし、美弥子には相変わらずかなわないのだろうな。

世の中にはいろいろな女がいる。