微熱の中、ホグワーツへ
3週間が経ち、なんだかほっとしてきた拍子に風邪を引いてしまいました。
クラスでもくしゃみと咳と鼻をすする音が絶えないのは、きっと今週のロンドンが寒いから。先生が笑いながらも風邪に関する英単語を教えてくれた…のは、前の記事でお話ししましたね。
火曜日
私もアオイも「起きたらちょっと喉が痛かったよね!」と言いつつ、お昼は先週英語学校を卒業したミサキがお勧めしてくれた日本食屋さん「eat東京」ののれんをくぐりました。
「いらっしゃいませ〜」
男の店員さんはレストランのボーイのような服装、女の店員さんは緑色の着物…となんとも和洋がミックスしていました。店内は大画面で日本の四季を紹介する映像が流れ、和室のような雰囲気!
アオイと分厚いメニューを覗き込むとお酒の欄に「上善如水」が!「新潟の酒がある〜!」と喜んでいると、「新潟の方なんですか?」と店員さんに話しかけられました。
とろける鮭トロのお寿司と、みそ汁付きのかつ重…このかつ重、なんとカツがたっぷり2枚入りなんです!ごはんも深く盛られ、ごはんとカツの間にはたまねぎ・たけのこ・しいたけが。途中で満足してしまって全部食べられなかったのがとっても残念でした。「ユウタが帰っちゃう前に来ればよかったよね」「きっと全部食べてくれたよね」なんてアオイと話しつつ、美味しかったからまた来ようと約束しました。
水曜日
起きると明らかに具合が悪い…歩いても、地下鉄に乗っても足もとがふらついてしまいました。それでも今日は出かけずにはいられない理由がありました!
体調のすぐれない日の授業はなかなか大変。授業を聞くのも隣の人と話すのも、話すために席を移動するのも一苦労でした。おまけにすべて英語!2週間なんとかこなしてきたけれど、授業を受けるというのはなかなかエネルギーがいることだなあと思いました。
授業が終わったらパパッとサンドイッチを買い、地下鉄に乗り込みました。ユーストン駅でオーバーグラウンド(地上を走る電車)に乗り換え、私の家の最寄駅もアオイの家の最寄駅もずんずんすぎていきました。ウトウトしていると着いたのはワットフォードジャンクション駅。
駅を出た私たちを待っていたのはこのバス!そう、今日は「ハリーポッタースタジオツアー」に参加する日だったのです!!
水曜日はあいにくの雨でした。バスから見える景色もにじんでしまっています。
雨がひどくて残念ながら建物の外観を撮ることはできなかったけれど、建物に入る直前に発行機でチケットをゲット!!
月曜日のうちにアオイと予約をしていたんです♡ハリーポッタースタジオに行くには事前予約が必要なので、売り切れになっていないかびくびくしていました。
いよいよツアーのはじまり。
スタジオの中に入るのにまるで私たちが魔法にかけられるかのような演出があるのですが、とっても素敵だと思ったのでナイショです。
スタジオでまず私たちを待ち構えていたのはホグワーツ魔法学校の食堂!ここに生徒たちがずらりと並んで食事したり、ハリーがヘドウィグから手紙を受け取っていたりしましたよね。4つの寮ごとの制服も展示されていました。
次は学校内のさまざまな部屋のセット!こちらはグリフィンドールの談話室。私もあたたかみのあるこんな部屋で、寮友とおしゃべりにふけりたいです。
ダンブルドアの部屋や「憂いの篩」なんかもあったけれど、私が個人的に気に入ったのはスネイプの部屋。ミステリアスなスネイプの雰囲気にぴったりです!
どの棚を見ても薬・薬・薬!
それからこのピンクと猫づくしの部屋の持ち主をご存じでしょうか?私は印象的だったのですぐにピンときました。
「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」で出てきた新任教師、アンブリッジです!あのねばちっこい感じが蘇ります。
この部屋では、ほうきを使った撮影がどのようにして行われたのか…そんな秘密も明らかに。
先週キングスクロス駅で見たあの「9と3/4番線」がふたたび私たちの前に現れました。今度こそ!この先に行ける?!
ホグワーツゆきの列車はほんものの電車のような大きさをしています。アオイに敬礼ポーズをした写真も撮ってもらいました。
列車が展示されているこの部屋は、まるでほんものの駅みたいですよね。
ここでひと息、カフェがあったのでアオイと名物の「バタービール」を探しました。USJに行った人たちからは不評のこの「バタービール」、どれだけ美味しくないのかを確かめようと私たちは列に並びました。
混雑したカフェに席を見つけ乾杯。
ひとくち飲んでみると…「おいしい?!」ビールと言ってもアルコールははいっておらず、子どもでも飲むことができる…この飲み物の正体はジンジャーエールの上にクリームがのっている、というもの。このクリームが「バタークリーム」のように塩気があっておいしいんです。
窓の外から見える3階建ての「KNIGHT BUS」停留所は地下鉄やロンドンの街を走るバスと同じマークが書いてあってなんだか嬉しい。ほんとうは近くに行って見たかったのですが、あいにくのお天気のため断念しました。
ふたたびツアーを続けます。
新しい部屋に入るとここは…ダイアゴン横丁!ハグリッドとハリーが歩いているところが想像できますよね。杖のお店や、ふくろうのお店もちゃんとありました。
次は壁一面に複雑な設計図が描かれ、なにやら白い立体模型がたくさん並ぶ部屋。これが「ダイアゴン横丁」の模型でしょうか。色がないと、雪景色みたいですね。
さて、こちらは…?
答えはさらに先に進むと明らかになります。
このセットを使って撮影したんだ…と、「ハリーポッター」の世界をより知れたことにも感動したけれど、やっぱりなんといってもこの「ハリーポッター」シリーズは多くの人の手によって大切に、丁寧に作られた映画なんだということに感動しました。
あらゆることに手を抜かない緻密さは、「ハリーポッター」シリーズが多くの人に愛される秘密なんだなとも。
それから個人的には、展示それぞれに時間ごとに変わる美しい照明がかけられており、写真を撮るのもとても楽しかったです。セットたちは今も、ステージで浴びるような光をいつも浴びているんですね。
「ハリーポッターの秘密」を知って、もう一度丁寧にシリーズを観返してみたいと思いました。体調が悪いことなんて忘れてしまうくらいステキな空間でした!