映画「バクマン。」を観ました…私に漫画を教えて

透明感を表現するには厚塗りしなければならない場合があるという事実、その矛盾を化粧品の宣伝を見ていて気づき可笑しくなる。

そんなことは必要ないくらいに「透明感」という言葉が似合うモデル・女優の小松菜奈さん。前からぜひスクリーンで観たかった。

休日に挟まれた月曜日、大学が休みになったから映画「バクマン。」を観に行ってきた。

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高校生の真城最高(あだ名:サイコー/佐藤健)は、高い画力がありながらも将来に夢を持たず、ただ流されて普通に生きていくだけの日々を送っていた。最高の叔父(宮藤官九郎)は、かつて週刊少年ジャンプに連載し、その作品がアニメ化もされた漫画家・川口たろうであった。だが結局は連載打ち切りとなり、その後叔父は過労により亡くなった。そのことが最高の心に暗い影を落としていた。
ある日、些細な出来事をきっかけに、秀才のクラスメイト・高木秋人(あだ名:シュージン/神木隆之介)に、「俺と組んで漫画家にならないか」と誘われる。はじめは一緒に漫画を描くことを拒絶していたが、声優を目指している片想いのクラスメイト亜豆美保小松菜奈)と、「漫画家として、声優として、お互いの夢が実現したら結婚する」と約束したことから、漫画家への道を志すことになる。
最高と秋人はコンビを組み、夢の週刊少年ジャンプの連載を目指して日々漫画づくりに明け暮れる。ジャンプ編集者の服部(山田孝之)に見出され、ようやく光明が見えてきたとき突然ライバル―新妻エイジ染谷将太)が現れる。弱冠17歳で手塚賞入選を果たした天才・エイジは瞬く間にジャンプ連載を決めて遥か先を走り始める。 そして次々と現れる新進気鋭のライバルたち。はたしてふたりはジャンプ連載を勝ち取ることができるのか?!
毎度のことながらあらすじは公式サイトの文章を拝借させていただく。

最初は小松菜奈さんが画面に映るたびに「かわいい…」なんて言っているばかりだったけれど、夢を明確にしそれに向かって加速するサイコーとシュージンの姿に引き込まれていった。

一言でいえない魅力が詰まった映画だった。

キャストが豪華
サイコーのおじさんは宮藤官九郎さんだし、ジャンプの編集長はリリーフランキーさんだ。ほかにも映画を盛り上げるのは名高いキャストばかりだった。

佐藤健さんも神木隆之介さんも普段はイケメン枠で語られる俳優だけど、この作品ではけしてそうは描かれない。鼻息あらくむしろ「キモい」キャラクターとしてふたりは物語をすすめていく。

めあての小松菜奈さんは、底抜けに明るくなくてちょっとミステリアスなところが小豆に合っていた。

友情、努力、勝利!
この3つのキーワードは週刊少年ジャンプの共通テーマとなっている。「ONEPIECE」なんてまさにそのキーワードに当てはまる作品だろう。

…といえども私はあまり漫画のことをしらない。小学生のときにまわりの友人が読んでいた「ちゃお」をちょこっと買っていたくらいだった。兄弟がいなかったこともあるかもしれない。でもこの映画は漫画の世界をよく知らない人にもわかりやすく「漫画家の苦悩」を教えてくれる。汗水垂らして描いてきた漫画が連載作品に採用されるかなんてわからない。締め切りに追われるもアンケートの結果次第では打ち切りになるかもしれない…作品内では「漫画家は使い捨てなのか!!」とこぼす場面も見られた。

漫画家に限ったことではない。ものづくりの尊さや大変さがこの作品で体現されていた。

おしゃれな演出
題材としてはけしておしゃれとはかけ離れたイメージのあるものなのに、映画は終始おしゃれな演出に包まれていた。

ペンを紙に走らせる音は組み合わさればかっこいい音楽になる…ロンドンで見た鍋や洗面器のふたを叩いて演奏していた大道芸人を思い出した。サイコーとシュージンの最大のライバル、エイジとのバトルシーンはまさに「ペンは剣より強し」という言葉を思わせた。

なんといってもエンドロール
コンサートではアンコールを待たずに立ち上がって帰る人を必ず見かけるし、映画だってそうだ。エンドロールを待たずに帰る人はいくらかいる。

だけど「バクマン。」はちがう。テレビのニュースでも紹介されたことがあるそうでネットに画像が出回っていたが、とにかくエンドロールまでたのしいのだ。「キャスティング翼」「録音助手100%」「るろうに装飾」…ふふふ。

もっと読んでればよかった
「あーもっと漫画に詳しければよかったのに!」たのしいエンドロールが終わった後思わず悔しげにつぶやいてしまった。

老若男女すべての人を魅了しうる漫画。学校に持ってきたら没収されちゃうものではあるけれど大切なことを教えてくれるしたのしいものだ。わかってるのになんで今まであんまり読んでこなかったんだろ〜。

次に観る作品はなに?
バクマン。」は、夏に「バケモノの子」を観に行った友人と共に観た。感受性豊かで素直な人なので一緒に映画を観るとたのしいのだ。

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次に是非観たいのは「俺物語」。
役によってみせる姿が全然違うけれど、いつも人情厚くてすてきな鈴木亮平さんを見たい。

これから「バクマン。」を観るというのにこんな看板が置いてあるのだ。鈴木亮平さんのfacebookを見ると「バクマン。を観てきました。HK(変態仮面)も出てきたし」とあって、HKの映画を思い出してクスリとした。

大きなスクリーンで映画を観ると、私の中で気持ちが加速したり、心がやわらかくなったり…なにかしらのスイッチが押される。カンフル剤とでも呼ぶべきか。「バクマン。」これもまた私にとってのあらたなカンフル剤となるのだろう。