「独立記念日」

f:id:alicewithdinah:20170822214235j:image

 

初めて手に取る原田マハさんの本。

書店で初めてこの本を見かけた時、

江國香織さんの文庫装丁みたいだな」

なんて思ったような。

 

独立ってなんだろう。

私がぱっと思い浮かべるその意味は

金銭的に自立すること、だった。

そもそも独立と自立は

ごちゃまぜになって私の認識を曖昧にしてた。

 

この「独立記念日」という短編集も

もともとは「インディペンデンス・デイ」

というタイトルからの改題だったそう。

independenceの意味には

自立も独立もふくまれる。

 

物語を読み進めるにつれて

原田マハさんが改題して「独立」を選んだ

気持ちが少しずつわかって行く気がした。

 

短編集の中の一編一編の主人公の

考えのクセや悩みごとなんかが

少しずつ自分のもののように思う。

この短編集の主人公たちは

2時間映画の主人公たちがそうするように

ラストに向けて私を置いて行ったりはせず

優しく寄り添ってくれるような気がする。

 

ある一編で私は通学のバスの中で

涙をぬぐったし

ある一編で私はページの端を折った。

一編一編噛みしめたい感情の連続。

 

ガムのようにしっかり噛みしめたあとは

しっかり生きていこうかな、と

すきっと立ち上がって駆け出す自分が見える。