2年越しのありがとう
様々な美容雑誌で引っ張りだこ、
ハイスピードで出版される著書は
たちまち大ヒット、
メイク講座の講演会で全国を飛びまわり
女性のキレイを頼もしく応援する神崎恵さん。
4月27日という今日は、
私にとって思い出の日である。
2年前の今日、神崎恵さんに会ったのだ。
雑誌を読むのは好きだったし、雑誌の美容コーナーや美容本を読むのは大好きだったのに、なぜかメイク雑誌には興味がなかった。「今読んでもきっとすぐ古くさくなっちゃうんだろうな」なんて思っていたのだ。
そして高3の冬、受験勉強の合間に立ち寄った本屋で『読むだけで思わず二度見される美人になる』というタイトルの本を見つける。その本の表紙を二度見したのは、タイトルが大胆だったからという理由だけではなかった。表紙の女性がとても美しいと思ったからだった。特に、眉毛がきれいな形だなと思っていた。
惹かれて手に取ると、著書に「神崎恵」とある。はじめて見る人だった。本の中をめくってみると、メイクのプロセスも載っていながらお化粧の力だけでなく、内面から美しくなれそうなことがたくさん書いてある。「今読むぶんにはいいけれど、すぐに古くさくなっちゃうだろう」というメイク本に私がいだいていたイメージを打ち砕かれた瞬間だった。
……
二次試験を控え、ピアノの練習をしていたとき、指が疲れたと思ってなんとなくリビングのテーブルの上に乗っていた新聞の折り込みチラシを眺めていた。
「NHKカルチャースクール 4月のお知らせ」
このまま地元の大学に進学できたらカルチャースクールなんかに行ってみるのも面白そー、と思いカルチャースクールのチラシを眺めることにした。その中に「神崎恵 ビューティレッスン」の見出しを見つけたのだ。
2014年4月27日、とある。
「とっとと大学に入ってぜひ行かなくちゃ!」と思ってその場で応募してしまった。「大学生になったらメイクする機会が増えるだろうし、おさらいしたい」なんて理由もあったけれど、とにかく神崎さんに会ってみたかった。
……
4月27日、手紙とノートとペンを持ってNHKカルチャースクールに向かう。会場はあまり広くなくて、「キレイになりたい」という気持ちが伝わってくるような女性が何人も椅子に座っていた。親子できている人も。
実際にお会いした神崎さんは声まで高く美しく、ほわほわとした雰囲気を漂わせていつつもメイクの話になると真剣で、とてもわかりやすかった。一言も聞きもらすまいと思いつつ、メイクについて楽しげに語る神崎さんの姿も目に焼き付けたいと思って大忙しの時間はあっという間に過ぎていった。
……
公演終了後にサイン会があって、私はもともと持っていた本を手にして列に並んだ。写真も撮っていただけることで、次に並んでいた人か係の人だったか忘れちゃったけど、撮ってもらった。「ありすちゃんっていうのね!」と言いながらスルスルとサインを描いてくださった。
今だったら「いつもすてきな本をありがとうございます」とか、「応援しています」とか、もっと気の利いたことが言えたかもしれないけれど、感激してしまって言葉をつまらせてしまっていた。
完全に顔が固まっているけれど、
とても嬉しかった瞬間だった。
……
あれからちょうど2年が経つ。
あの頃椅子を並べて話に聞き入っていた周りの人は、どんなふうに変わっていったのだろう。
私は、毎日のようにメイクをするようになったあのタイミングで、ちょっと勇気を出して(自分で何かを申し込んだり、予約の電話を入れたりすることが苦手な高校生だった)講演会に足を運んでみて良かったと思う。
「美容は、苦しいもの」「メイクは、難しいこと」そんなイメージをこえて、きれいになろうとするのは楽しいことなんだなと思えたことが2年前の私にとって大きな収穫だった。
自分では分からないけれど、あの頃思い描いていた20代の女性に近づいていけていたら嬉しい。
口紅がたくさん載った
ページに添えられた言葉は
「Lipsticks-何色の唇で大好きって言う?」
言葉の湿度を変える色、とある。
赤リップにもこんなに種類があるのかと驚く。
韓国と日本の女性の顔が
似ているようでどこか違うのはなぜかというと
話す言語が違い、それに伴って
骨格が微妙に違うから。
顔の上半分を隠すと分かるという。
ハーフ顔に憧れる人は、メイクの研究とともに
憧れる国の語学をやるといいそうだ。
旬のメイクは雑誌で、トレンドに関係なく美容に役立つことや大切なことは著書で、今もいろいろなことを教えてくれる神崎さん。
女の人って辛い、とかわけもなくシュンとしたとき、心がトゲつく時に本を開くといつもなんだか優しい気持ちになって元気がもらえる。
いつかまたお会いできることがあったら、その時はもっと自然な笑顔で一緒に写真を撮ってみたい。
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