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1984「恋におちて」

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もしも願いが 叶うなら
吐息を白い バラにかえて
逢えない日には 部屋じゅうに飾りましょう
あなたを想いながら

小林明子さんの歌う「恋におちて」に出会ったのは、あるライブに出演したことがきっかけだった。


↑そのライブの模様はこちら。

スタジオでの練習のとき、「恋におちて」の伴奏者が来られなかったため、私がそのときだけ伴奏をすることになった。拙い初見の演奏になってしまったものの、もともと「懐メロ」と呼ばれる歌が好きだったために、ボーカルに合わせてこの曲を弾くのはとても楽しかった。

今年度の「午前10時の映画祭」2発目に「恋におちて」というタイトルが並んだのを見たときも、その時のことを思い出した。

調べてみるとどうやら小林明子さんの歌とニューヨークのこの映画は関係があるらしい。

ロバート・デ・ニーロメリル・ストリープが演じる「恋におちて」が公開された翌年1985年、日本でもその作品にインスパイアされたドラマ「金曜日の妻たちへ-恋におちて」が放映された。書店で2人が出会うシーンなど、映画をイメージしたつくりになっていたという。

そしてそのドラマのオープニングやエンディングを歌った小林明子さんの「恋におちて」が大ヒットしたというわけである。中居正広さんの番組「金曜日のスマたちへ」も、「金曜日の妻たちへ」をもじったものだった。


ロバート・デ・ニーロ演じるフランクも、メリル・ストリープ演じるモリーもそれぞれ家庭をもつ。特にフランクは息子を2人もうけている。父親が入院する病院に通うために毎日マンハッタンへの通勤電車を利用するモリーは、医者の夫を持ち自分はフリーランスイラストレーターをやっている。
書店で、そして電車で再び出会うフランクとモリー。本人たちはそんなつもりはなきにしもあらずだったけれど、それぞれの友人から浮気を吹きかけられるのだ。食事に出かけたり一緒に出歩くうちに心の距離が近づいていく2人。ある日、お互いのパートナーに2人の関係がばれてしまう…(今回は自分であらすじを書いてみた!)

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フランクと会うために、クローゼットの服を全部試す勢いで身なりに気をつかうモリー。はっと我にかえると、「私ったら、何をしてるの?」「気を確かに!」と自分の必死さに呆れる。そんなことをしていくうちに、モリーはどんどんきれいになっていくのが見ていて楽しい。

小林明子さんの歌の歌詞では「土曜の夜と日曜の あなたがいつも欲しいから」という歌詞がある。(私はこれを見てやっと、「この歌は不倫のことを歌っているのか!」と気付いた)でも映画「恋におちて」では、フランクも子供たちとのお出かけもおろそかにしてモリーに会おうとしていた。

フランクの妻、そしてモリーの夫に共通する特徴は、2人の浮気が発覚するまで穏やかだったこと。裏をかえせばちょっと面白さに欠けるところだったととった。大人の恋とは、やっぱり新鮮さを求めるところにあるのかもしれない、難しいなと改めて思う。

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メッセージアプリがない、ましてや個人が電話機を持たない時代に、こっそり会いたい相手の家に電話をかけること、そして約束の時間に遅れたり姿を現さないことは関係を続けるのにはとてもリスキーだ。

小学生や中学生のころ、夏休みの課題になった「読書感想文」を書くコツは、あらすじを書きすぎないことやその作品が何を伝えたかったかを汲み取って文章にすることだよ、と教えられた。

「恋におちて」から学べることはなんだっただろう。なにが正しくて、なにが間違っているか。簡単に分かることでも、マンハッタンの華やかなクリスマスの雰囲気と恋する2人の笑顔に惑わされて、そんなこと忘れちゃいそうだった。


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