毎日が楽しくなる習慣たち
四年に一度の肉の日だったし、
あした四歳になるいとこの二日前に
生まれた子どもはやっと一歳になった。
私は眠ってばかりいた。
目がさめると三月になっていた。
二度寝と昼寝と夕寝と夜寝を繰り返したのに
普通に朝まで目覚めなかったのが不思議だ。
「どこかに楽しいことをする日を作らないと
やっていけない自分が嫌になる」と、
旅の途中で会った友人が言う。
「毎日をふつうに楽しめたらいいのに」
ほかの人から見たらじゅうぶんに
楽しそうに見えるのに、心って不思議だ。
私も最近そうかもしれないな、と思った。
三月のはじめの日、夕方に指定して、
「好きだな」と思えることを三つ集めてみた。
1.雑誌を買って帰る
ここでも書いたとおり、
私は幼い頃から雑誌が大好きだ。
定期的に新しい情報に出会えるし、
写真の横にぎゅっと詰まった小さい文字を
くまなく読むのもとても楽しい。
漫画雑誌を買う前も、そういえば
ディズニープリンセスの雑誌や
プーさんに特化した雑誌を読んでたな。
帰り道、待ちきれなくて車で読んで
気持ちわるくなっちゃうくらいだった。
今でも月のはじめにどっと世に出る雑誌たちを
書店で眺めて気に入ったのを買う。
なかなか雑誌の表紙には趣味があらわれるから
恥ずかしくてバスでは広げないけれど
書店のビニール袋にわくわくした気持ちを
詰めて帰り道をすごすのが好きだ。
2.寄り道してコンビニに寄る
帰り道のコンビニは誘惑だらけ。
それこそ雑誌もあるし、お菓子もある。
今の季節はついつい肉まんに手が伸びる。
でも、ねらいはそこじゃない。
バス停を降りて歩いて帰るのが日常になり、
前より歩く距離は減ったけれど
それはそれでただ暗い道が続くのがさみしい。
最近はまっているのは、コンビニに寄ること。
もっと最近はまっているのは、
コピー機でネットプリントの印刷をすること。
SNSで絵を描いたり画像を作っている人が
番号を指定して発表してくれる。
コンビニのコピー機の機能を使って
その番号を入力すると、その人の作った
一枚きりの作品が手に入るという仕組み。
初めては手帳に貼る日付シートだった。
今度は一枚のマガジンみたいなのにはまる。
Twitterで活躍している
usaoさん(@_usa_ooo)のうさぎの絵が好きで
今日はロサンゼルスにいるときから
楽しみにしていた「usaoがきたよ」を印刷。
まるで駄菓子を買うような値段で
すてきな紙が手にはいる。
肉まんと、おでんとコーヒーなんかの
あたたかいにおいが混じったコンビニを
あとにして残りの帰路をいそいだ。
3.追焚きに頼らぬお風呂リレー
幼い頃から、寒い日に
あたたかい湯船に身体を沈める瞬間が好き。
石油ストーブがカチカチ鳴って
「ジーー」と音を立ててつく瞬間も
同じくらい好きだった。
だからその二つをミックスして
湯船に身体を沈めて、
自分がもうすぐつく石油ストーブになって
「ジーー」と音を立ててつくところを
想像して身体をさらにあたためていた。
今では家族がとっくにお風呂に入ったあと
冷えかけたお風呂に入る機会が多くなったけど
たまにみんなそろったときに、
追焚きに頼らないで湯気と湯船のなかの
お湯の熱さが残った状態で入るのがいい。
お湯の中では足先とか背中とか
湯船に接してる部分が固まって冷えるから
たまに思い出したように動かしてやる。
日本に帰ってきて、
お風呂ってすてきな習慣だと思う。
これらが私が好きな、夕方と夜のこと。
毎日旅に出ることができなくても、
毎日ごちそうを食べにいけなくても
ちょっぴり特別で、幸せだと思えることだ。