「黒い暴動♡」

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2000年前後、日本を席巻した

「ガングロギャル」。

 

当時放送していたドラマ「おやじぃ」(岡田准一さんや田村正和さんが出てた)にもすみかというガングロギャルが出ていたので、幼かった私はガングロギャルを見る度に「すみかだ!」と言っていた。

 

女子高生の「すみか」は習い事に行く路線バスにもいた。オーバーサイズのセーター、ルーズソックスと短いスカートを、私も幼稚園の制服でこっそりまねてみたりしたものだった。

 

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「シネ・ウインド」でそんなガングロギャルが活躍する映画をやっていたので観てきた。

『黒い暴動♡』

 

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なんもない、つまんない人しかいない、「クソみたいな」田舎に住む高校生・美羽(のちのみゅうみゅう)。そんな美羽やクラスメイトの彩香、あおいはひょんなことからガングロギャルになって青春を謳歌する。

 

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ギャルたちが集う牛舎では、酪農業の手伝いのあとにパラパラの練習をする。チーム名は「ブラックハマナス」。「手は三角!」「人としての軸がぶれてっからパラパラの軸もぶれんだよ!」「本気になれや!!!」熱い指導が入る。

 

厚底の靴、盛った巻き髪(人によってはカラフル)を揺らし、伸ばしてマニキュアを塗った指先にまで意識をこめて踊るギャルたちのパラパラ。あの音楽がちょっと懐かしくも思う。

 

作品のキャッチコピーともなっている「外野なんて、空気」 。当時ガングロギャルを見ていた私はなんでこんな格好してるんだろう、人に見られても気にしないのかなと思っていた。けれど美羽たちは気にしない。外野の意見なんて空気同然、明日死んでもいいように、好きな格好をして、好きなことをやるんだ!!という潔さ、女子高生の無敵さがとにかくまぶしかった。

 

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まぶしいだけじゃなかったこの映画。17歳の美羽と、アラサーとなった12年後の美羽が交互に描かれる。男の去った朝のアパートで、シミ消しクリームを頬に塗り込む美羽だった。

いったいあの頃の情熱はどこに行ってしまったのか。地元でのクラスメイトとの再会で、あの頃の思い出はどう変化するか……

 

新潟のシネ・ウインドでは1週間限定上映で、残念ながらもう期間が終わってしまったが、小説も発売されているのでぜひもう一度「外野なんて、空気。」を体感してみたいところだ。

 

SKE48平松可奈子さん、元SDN48書道家のなちゅさんをはじめ、間宮祥太朗さん、村上虹郎さんなど豪華なメンバーが物語を彩る。美羽に影響を与えた高校の先輩は、今井華さんだった。

 

そして主演の美羽を演じたのは、新潟出身の馬場ふみかさん。同い年で、見かけなかったけれど成人式の会場も一緒だったとは感慨深い。

 

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馬場ふみかさんを初めて見たときのことを忘れられない。中学校2年生の初夏、小学校の先輩が載っていると聞いて、初めて手に取った「新潟美少女図鑑」に載っていたのを見つけたのだ。

 

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大人っぽい人だ~何歳なんだろう~と思って見てみたら同い年でびっくりした。しかも仲良しの友人と同じ誕生日だったことも手伝ってかなり記憶に残った。将来はモデルさんになりたい、と書いてあった。

 

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その後も幻のフリーペーパー、と呼ばれている「新潟美少女図鑑」だったので、見かけるとつい手に取る。馬場ふみかさんはよく載っていた。当時の「新潟美少女図鑑」には知り合いや学校の先輩、友人のお姉さん…など載っている人やロケ場所がとにかく身近で楽しかった。(私より下の世代の子たちは、まさに今そういう感じだと思う)

 

今はなき古町のスターバックスに行けばたまに姿を見かけることもあった。上京すると誌面で発表していた後も、やはり地元出身・友人の同級生くらいの身近な人であり、モデルはもちろん女優になるという目標を掲げて頑張っている姿をひっそり応援していた。

 

どんどん活躍の場を広げている彼女が、スクリーンでどんな演技を見せるのか気になったので映画を観てみたかった。声色の微妙な違いや、美羽の心境の変化をずばっと表現していて引き込まれてしまった。

 

外野なんて、空気。

これからなにかつらいことがあったとき、美羽やガングロギャルたちのこの言葉をしっかり思い出せるように、耳と目に焼き付けてきたつもりだ。

手帳をうまく使っちゃうぞ

今年の持ち歩きメインの手帳は

NOLTY Uにした。

11月最終週からウィークリーページが

設けられていたので、

もう半月以上NOLTYとおともしている。

 

軽量で、カバーは手なじみの良い素材、

表紙をめくると爽やかなブルー。

紙の色も少しアイボリーがかっている。

使ってみると期待どおりの手帳だった。

 

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マンスリーのページは2016年の手帳と同じく

黒ペンで予定を書き、3色の

パステルカラーボールペンで色分けをする。

(ピンクの線引きが未だにあいまいである)

 

1日の枠の真ん中に線が引いてあるので

上に午前の予定、下に午後の予定 又は

上にその日のメインの予定 など

その日によってわかりやすく書く。

大きい字で書いても沢山書けるようになった。

もっと太いペンで書いてもいいかも。

 

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ウィークリーページはレフトタイプだ。

見開きのページで1週間、

左のページは横書きの

日付の印字と時間軸がついている。

右のページは左のページの幅に合わせた

罫線のノートになっている。

 

左のページはせっかく時間軸があるので

1週間のはじめ、予めわかっている予定を

その日その時間に書いてしまう。

そうすればなにか約束をするときに、

ページを開くとひと目で空いている時間が

わかってとても便利だ。

ただ、スケジュールは変わりやすいものだ。

1時間遅れや、キャンセルなどに

対応出来るように、フリクション

ブルーブラックで書くようにしている。

ブルーブラックは、意外と

アイボリーの紙にもよく似合う。

(ちなみにこのフリクション

石油ヒーターでお馴染み、

ダイニチの名前が彫ってあってちょっとレア)

 

右のページはto doを書く。

2016年の手帳はサイズが大きく

to doを書くスペースも沢山あった。

だから張り切って空白を埋めるように

タスクを増やしては、

計画倒れして夜に後悔することもあった。

でもこのNOLTYは罫線があるので

それに沿って書こうとすると

書けるスペースと量は限られてくる。

 

そこで私はここに書くto doは

1日7つ、と決めてしまった。

 いわば、意味を無視した「7つの習慣」だ。

①、②……とマルを大きめに書いて

その横にその日するべきことを書く。

終わったらマルをボールペンで塗りつぶす。

眠る前に7つ埋まっていると、

なかなか気分がいい。

 

毎日必ずなんでもいいから

7つ見つけるというのがポイントで、

「床に掃除機をかける」や

「ATMに行ってくる」なんかでもいいのだ。

NOLTYを使いはじめて3週間、

毎日小さな達成感を味わいながら

ほとんどのマルを塗りつぶしている。

 

その日できなくても後日できたら

線を重ねて色の薄いマルを作ればいい。

本当はスペース的には7つでなくて

9つがちょうどいいのだけれど、

7つ目は長めのタスクにしたり

ちょっとしたメモを書くスペースを

生み出したりできるゆるさがいいのだ。

 

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あるウィークリーページをコピーして

架空の一週間を作ってみた。

夏休みが始まるか始まらないか

ギリギリの一週間を選んでしまったので

宿題のメモに記した締切は休み明け。

前期は研究室の集まりが多いので

それもちょっといれてみた。

読んだ本と観た映画は

今週のものを反映させた。

 

へんてこりんで季節感のないページが

出来上がってしまったけど

こんなふうにウィークリーページを埋めてる。

 

 

ほぼ日手帳なんかは公式サイトや

インスタグラムなんかで

ユーザーのコミュニティを通して

色々な楽しい使い方をのぞき見出来るけれど

NOLTYはどうだろう。

3週間使ってみて、

自分なりのスタイルを確立できたので

今の私に合っている手帳なのだと思う。

 

課題としては、

・映画やコンサートの半券をどこに貼るか

・46ページのメモをどう使うか

これもゆっくり考えようっと。

 

12月は師走と呼ばれるとおり

走るように過ぎていく月で、

年末年始を終えて一息つくころに

体調を崩しやすいのだという。

12月になったら、1月の予定も

立てておくと体調を崩しにくいらしい。

少し先のことが予想できれば、

マラソンのゴールを知っているのと同じく

うまく体をコントロールできるからだろう。

 

今日もすべてのマルを埋めて眠りにつこう。

最後の悪あが記

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12月になって、

2016年の週末野心手帳が役目を終えた。

2015年12月から2016年11月、と

ぴったり1年間使える手帳だったのだ。

 

はじめて書いてみた12月1日は、

中高の友達と成人式の準備のために

高校の先生をたずねて、その帰りに

おいしいラーメンを食べたと書いてあった。

 

はじめの頃は几帳面に書いていた

毎日の記録だったけれど、

だんだん筆ペンの字で大きく書いたり

何日も空白が続くようになった。

 

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ずいぶん思い切っているページも。

睡眠時間をしっかりとれ、と何日にも渡り

繰り返し自分で書いてあるのに

思わず笑ってしまう。

 

そのうち手帳の時間を取ることが

後回しになってしまう日々が続き、

とうとう長らく書かなくなった。

 

でも、久しぶりに開いてみたらやっぱり

一言でもいいからなにか記録してある

日のことは忘れがたいものだった。

1年の最後にさしかかってくると

やっぱり振り返りたいものだし。

 

毎日7行前後の日記を眠る前につけよう

ということが書いてある本を読んだ。

コツは、「今日一番失敗したこと」

からはじめて「今日一番感動したこと」

で終えることだという。

そうすれば脳が「今日もいい日だったな」

と思って良い眠りにつく態勢に入るとか。

7行だったらそれを書くのに丁度いい。

 

読んで、よし、やってみようと思ったのは

「週末野心手帳」が残り

6ページを告げたときだった。

 

眠る前の習慣として

7行前後というのはちょうどいい長さ。

左の5コマには好きなことを書く。

最終日には、週末野心手帳ありがとう

と書いてしめることにした。

 

空白もたくさんになっちゃったけど、

1日1ページをすきなように

綴るのは楽しかった。

手帳の日付が終わってしまうまでの1週間、

「最後の悪あが記」ができてよかった。

 

眠る前の日記を書くようになってから

なぜか夢を見ることが増えた。

 

7行日記はまだ書ける日付が残っている

神崎恵さんの手帳に引き継いだ。

 

師走はまだまだ続く。

 

究極の語学学習法!

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最近ふとした思い付きで、

iphoneの言語設定をフランス語にしてみた。

ipod touchの使用歴が長めだったので

通知の種類や操作に慣れていたこともあって

iphoneに機種変更した際も

言語設定を英語にしてみたことはあった。

そういえば初めて持った「ガラケー」も

けっこう長い間同じ機種を使うことになって

飽きてしまったときに

言語設定を英語にしてみた記憶がある。

 

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言語設定をフランス語にしてみたときの

インスタグラムの通知はこんな感じになった。

 

使い慣れたiphoneがちょっとおしゃれになった。

もともとiphoneの様々な初期設定からあるアプリは

いつのバージョンでもシンプルで洗練されているので

フランス語の文字がもつ雰囲気も似合っている気がする。

 

「選択した写真を削除する」「アプリを評価しますか?」

などといったタブや通知には、

まだ習っていない単語なんかもたくさん登場する。

使い慣れて、タップすべき場所がわかるからこそ

この思い付きは思いついたまま続けられる。

 

ガラケー」を英語で使うようになったときに

気が付いたことだけれど、

普段目にするものに外国語を取り入れると

けっこう単語の勉強になる。

 

メール作成の画面に出てきた「Undo」なんかも

携帯電話で出会った単語となった。

今でこそ世界中のアプリが使えるようになって

どんな言語設定にしていても

英語しか使えないアプリもあるから

それを使ううちに知らず知らずのうちに

いい語学学習になっているのかも。

 

言語設定をフランス語にしてみて

まず役立ったのは曜日のスペル!!

何度確認してもなかなか覚えられなかったけど

ロック画面で必ずその日の曜日が表示されるから

一日で何度も目にするうちに覚えちゃう。

曜日の他にも今まで日本語だった通知の

内容を覚えていれば、なんとなく

単語が頭に入ってくるようになった。

ゴミ箱に入れた写真を完全削除したいのに

間違えて全部復活させてしまうという

小さな失敗をしながらだけど、楽しい。

 

 

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iphoneでは自分の好きな国の

キーボードも追加できるので

私はもともと設定されてた日本語と英語に

フランス語も追加してみた。

フランス語ならではの文字も打てるので

授業での課題作文もやりやすくなった。

 

4月から始めたフランス語の勉強が続いている。

講義も前期と変わらず週三回とっている。

分かり易い文法の説明はもちろん

フランスの文化に触れながら

授業を進めてくれる先生がおもしろくて、

一緒に授業を受けているみんなも

(ほとんど一年生)一年生の時の私を横に並べて

私をぱちんと叩きたくなるくらい

きちんと授業を聞いていて勉強している。

これなら早起きも続けられる!楽しい!

という感じの日々を過ごしている。

 

楽しい講義に出会えてよかったなあ。

 

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『オケ老人!』デート

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公開をずっとずっと待ち望んでいた映画

『オケ老人!』。

11月の初めに映画館で楽しんだ

溺れるナイフ』と同じく、

上映している映画館が少なかったので

なかなか気軽に観に行けずやきもきしたけれど

なんとか念願かなって観に行くことができた。

 

映画『オケ老人!』公式サイト

 

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杏さん演じる高校の数学教師・小山千鶴が梅が岡高校に赴任してきた。地域のオーケストラの演奏を聴いて、学生時代を思い出す。「また音楽やりたい!」という思いで問い合わせて入団したオーケストラは、先日聴いたオーケストラじゃなくて、老人だらけのダメダメオーケストラだった…!?

 

というあらすじ。

 

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昨年の年末に読んだ原作小説では主人公が男性の教師だったので、映画化で女性が主人公になるとどうなるんだろうと思っていたけれど、映画で描かれる「小山千鶴」はさっぱりしたコミカルな女性だったのですんなりと映画の世界に入ることができた。

 

あわせて先日に杏さんのエッセイ『杏の気分ほろほろ』を読んで『オケ老人!』の撮影現場を少しのぞき見させてもらっていた。「セリフをすべてノートに書き写す」「関連書籍をどんどん読む」「習い事をして少しでも演じる人物像に近づく」などどんな仕事が来ても入念に準備する、しかもその努力を大変なものだと思わず楽しむ杏さんなので、今回の映画ではどんな姿が見られるのかがとても楽しみだったのだ。

「老人」のみなさんは、笹野高史さんらベテランの俳優陣で固められていて、現役時代の長い皆さんは終始パワフルで撮影現場は楽しかったという。

 

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そんな『オケ老人!』、とってもとっても面白かった。

 

老人だらけのオーケストラときいて想像されるのは、「いつどのメンバーが欠けるかわからない」ということ。もうこの世にいなくなってしまって欠ける、という意味。でも映画では、そういった高齢者を取り巻く環境を湿っぽく描くことはしておらず、老いを楽しむような、コミカルな雰囲気で描かれていた。「棺オケじゃないぞ!」と。隣にいた人もくすりと笑う。たまに声を立ててけたけた笑ってくれた。

 

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原作小説がある映画を観に行く際はいつも読み返してから行くけれど、私はそれをすっかり忘れていた。だから、「こんな場面あったっけ(あ、あったわ…)」と驚くと同時に、感動してちょっとうるうるしちゃうとこもあった。けして湿っぽくはなってないからね。

 

劇中で扱った作品も<威風堂々><新世界より><田園(第九)>など、普段クラシック音楽を聴かない人でも親しみのある作品ばかり。とくに<新世界より>二楽章は、「とーおきーやーまにーひーはおーちてー」でおなじみ、私が通っていた高校でも完全下校の時間の少し前になると校内放送で鳴り響くあの曲だ。

 

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同じ作品でも、演奏者によって演奏のすがたは変わる。たとえばテクニックを追い求める若者からは背伸びした印象または元気な印象が、恋に悩みぬいた経験があれば短調の曲に深みが出、そして人生を長く生きてきた老人が奏でる音楽にはその人生が凝縮された響きが出てくる。

久しく楽器を触らず、私が忘れていたその感覚を『オケ老人!』は思い出させてくれた。悲しいことも怒ったこともあとになって笑い飛ばせるようになるように、今を含めてこれからの経験が人生をつくってゆくけれど、年老いたときなにかまた楽器をやってみたいと思うんだろうな。そのときどんな音楽を奏でられるようになっているだろうか。

 

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先月、学園祭のステージで、「デートでオケ老人を観に行きたいでーす!」なんて言ってしまった。(その話はまたいつか…今温めています。写真はたぶんそれをちょうど言ってる時です)さて、誰と行こうか…と思って映画の公式ホームページを眺めていて、まっさきに浮かんできたのが祖母の顔だった。

 

祖母と一緒に最後に映画を観たのは、いつかのお正月に『ハウルの動く城』をスクリーンで観たときだった。お年玉の使い道が貯金しかまだ思いつかなかった私を、祖母はトイザらスに連れてってくれて「すきなの選びなさい」と言ってくれた。結局その時は人生ゲームを買ったんだった。そのあと映画を観たんだった。

 

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『オケ老人!』は家族と観に行っても楽しめる作品だと思う。だから祖母との久しぶりの「映画デート」に、私は『オケ老人!』を選ぶことにした。「ごちそうさんの杏も、とと姉ちゃんの”星野さん”も出るよー!」「さっきポスターを見たけど、星野さんいた?」「前髪あがってないからわからないかもね」なんて会話しながら一番後ろの席に座った。

 

大好きな杏さんが出る映画だったこと、しかも題材が普段から親しんでいるクラシック音楽だったこと、そして隣で祖母が観ているということ。とても楽しくて幸せな時間だった。

 

おまけ・『オケ老人!をもっと楽しむヒント

・「五つ子ちゃん」シリーズの楠のおばあちゃん

・「オランジーナ」のCMを見返してみる

・「くら寿司」に行ってみる

 

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『溺れるナイフ』

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ずっとサシでランチしたいね、と言ってた友人と映画を観に行った。肝心なランチはフードコートですませて、これから始まるドキドキの2時間をひたすら楽しみにふたりで待った。

 

溺れるナイフ

 

 「溺れるナイフ」特別映像 - YouTube

 

「溺れるナイフ」特別映像2 - YouTube

 

都会から田舎に越してきた中学生の人気モデル・夏芽と、引っ越し先の街の神主の跡取り息子・コウの出会いのシーン、ふたりは水中にいた。

 

タイトルが画面に映し出され、小松菜奈さん演じる夏芽がぼそぼそと喋る。転調が繰り返されて不思議な気持ちになる音楽が後ろで流れてる。

 

菅田将暉さん演じるコウが夏芽の心を乱すとき、流れている曲も転調が繰り返されている。ピアノで演奏されるアルペジオが行き先もなくうようよとうごめいて、足の速いコウを夏芽が追うさまが浮かんでくる。

 

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水中のシーン…

夏芽と同じくらいの年齢のとき、大好きだったアーバンギャルドのMVを思い出してしまう。

 

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そしてこのコントラスト。

金髪、黒髪、制服。

 

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2007年に大ヒットした映画

『恋空』を思い出さずにはいられない。

 

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壁ドン、顎クイ、ですっかり浸透した人気の「ドSキャラ」ではないけれど、優しくなったり冷たくなったりする金髪の男の子に翻弄されている黒髪ロングヘアの女の子。

 

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今年は『ちはやふる』『君の名は。』で大活躍した上白石萌音さん演じる「高校デビューした」カナ。

 

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これもまたどうしても『恋空』の優を思い出してしまう、夏芽に優しい、重岡大毅さん演じる大友。

 

溺れるナイフ』の物語に、ふたりの存在も欠かせなかった。

 

 

「10代の危うかった時代の全能感」というものを、この作品は表現していた。

 

田舎に越してきたけれど、カメラマンに目をつけられて映画に出ることになりそうだ。でも、コウちゃんがいる田舎は楽しい。

 

「私がどうするかは、コウちゃんが決めてよ」

 

「好きな人」を超えて「神」のコウちゃんにきかないと、この先の人生が決められない15歳。

 

「お前は面倒くさいから、もう関わんな」

 

この言葉が高校生の口から発せられることに、どれくらいの本音が隠されているのか。感情に身を任せて放っただけの言葉だとしても、言われたほうはすべてが面倒になるくらい落ち込む。

 

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キラキラした中学生だったのに、ある出来事がきっかけで高校生になったらすっかり野暮ったくなってしまった夏芽だった。

 

 

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原作は読んだことがなかったのに、キャストとあらすじが発表されたとき「小松菜奈も、菅田将暉もぴったりだ、やっぱりね」と思った。

 

ふたりとも役作りをしなくても、きっと原作の雰囲気に合ってると思ったのだ。とても映画が楽しみだった。

 

太眉ブームがくる前から、小松菜奈さんを中学生雑誌などでみてきた。眉と、透明感が印象的なモデルさんだと思っていた。それが近年映画で活躍するようになって、『溺れるナイフ』では私が印象的だと思っていた部分がしっかり「中学生」と「高校生」で演じ分けられていて、すごいんだなあと感じた。

 

そして、コウがクラスの中で自由人として一目置かれてはいるものの、けして「モテ男」として描かれてはいなかった。モテモテの男の子が雰囲気が正反対の女の子に恋をする…よくある少女漫画の、夢のあるあの感じと違う。

 

世の中のことをなんにも知らなかった(今もそんなに知らないかもしれないけど)、衝動でなんでもできそうな気がしてた10代の季節はもう終わってしまった。だからひたすら懐かしい気持ちで私はスクリーンを見つめていた。隣で観ていた友人もそうだった。

 

「私、夏芽たちと同じくらいの年齢のときに観てたらもっと遠い世界に感じちゃってたかも」と友人がいう。私がもし15歳の時に観ていたら…うーん、なんだか、すごく影響を受けてしまいそうだった。

 

「もし自分が夏芽だったら、コウちゃんのこと好きになってた?」なんて質問をしあうのも楽しい。ひとりでじっくり浸るもよし、女友達と観た後にワイワイ盛り上がるのもよしだ。

 

映画館には私たちより下の世代と思われるような女の子たちが沢山いた。彼女たちは『溺れるナイフ』を観て、何を思ったろう。早足で私たちを追い抜いた二人組は、「いやー最後全然意味わかんなかったわ」と言ってた。

 

今、10代を終えてからこうして落ち着いて観に来ることが出来て私はよかった。そうじゃなきゃなんだか危険だった。

 

そして、監督を手がけた若い女性の山戸結希さん、山戸さんの表現したかった世界観を全力で再現した俳優陣が同じ時代に活躍していてよかった。山戸さんは雑誌のインタビューで、「映画を観て、こんなんじゃだめだ、私ならもっと『溺れるナイフ』をうまく撮れる、と思ってくれる人が沢山現れたら私は嬉しい」と話していた。

 

 15歳の頃といえば、ちょうどAKB48がとっても売れ出していて、ねもうすと書いて「神(ネ申)」という言葉がDVDのタイトルにつけられていた。「神対応」とか、「神キター」みたいな言葉もよく聞いた。

 

先生や親の言うことに反発したくなったり、大人ではないけれど子どもでもなくなってきたかもしれない…とひとり悩んだりする季節には、「私の神さん」が必要だったのかもしれない。

 

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2013年、ドコモのCMに出演した小松菜奈さんを見て、当時から『溺れるナイフ』の原作のファンだった人びとの中で「実写版の夏芽がいる!」と話題になっていたらしい。CMを観てから映画を観ると、遊び心が感じられる瞬間が必ずあると思う。危険な映画だ、なんて言ってしまったけれど、美しくもクスッと笑えるところもあるよ。

 

私の住む新潟では県内で2箇所しか上映していないレアな映画だが(もっと色んなところでやればいいのに!)、ぜひスクリーンで楽しんでほしい作品だった。

 

 

関連・参考記事

(ネタバレ含む、鋭い考察)

溺れるナイフ - 神様を得た15歳 - - こみねもすなるだいありー

 

アーバンギャルドPV)

 [MV] アーバンギャルド「ワンピース心中」 - YouTube

 

小松菜奈NAVERまとめ)

小松菜奈で『溺れるナイフ』映画化!3年前のCMがリアルにソレだった - NAVER まとめ

累計3万アクセス

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本当は次の記事を更新してから

このことを書こうと思ったのですが…

 

書き渋ってる間にいつの間にか

アクセスカウンタが30000を超えてました。

 

2014年、大学1年の秋にこのブログを作って

現在まる2年と少しが経ちました。

更新しまくる時期があったり

まったく書かなくなったり、

習慣的なものを試みたり失敗したり…

気まぐれに続いてきたブログですが

こんなにたくさんの人に

見てもらえるようになるとは!!

 

今年は本に加えて映画も沢山観るように。

「本も映画も、感想楽しみにしてるよ」と

読んでくれてる人に声をかけてもらったりと

確実に誰かにここに書いていることが

届いているんだなと実感する瞬間があります。

 

文章を読むのも書くのも

どんどん好きになってきています。

読んでくれて本当にうれしいです。

いつも、ありがとうございます。

 

これからもささやかなことたちを

のんびり書いていきたいと思います。

やっているSNSにも通知を出します。

のんびりお付き合いしていただけたら

とてもうれしいです。

 

これからも「謎の国のありす」を

よろしくお願いします!

 

 

次回は映画『溺れるナイフ』を

観てきたことを書きたいと思ってます。

すごい映画だったので

なかなか書き渋ってます。

 

ありす